熱性けいれんは、赤ちゃん(乳幼児)には珍しくない症状です。実際に赤ちゃん子供のけいれんに直面すると動揺してしまうものですが、少しでも落ち着いて対応できるよう、するべきことを知っておきましょう。
ほとんどの場合心配ないが受診は必要
熱性けいれんは急激に熱が上がるときに起こりやすい症状です。5歳ごろまでの赤ちゃん子供の10人に1人は経験するといわれ、そのうちの約8割が3歳までの赤ちゃん(乳幼児)です。よく見られる症状は、体を硬くさせてガタガタと震える、白目になる、意識がなくなる、呼吸が荒くなるなど。少し前までは元気だった赤ちゃん子供が突然けいれんしだすとビックリしますが、多くの場合2〜3分で治まり、大きな問題にはなりません。ただし、発熱時のけいれんでは髄膜炎や脳炎の可能性も否定できないため、受診は必要です。
初めてのけいれんは急いで受診を
けいれんを起こしたときの対応として以下の2つを覚えておきましょう。
1)助けの人を呼ぶひとりで対応するのは心身ともに大変なので、家族など近くにいる人に助けを求めてください。誰もいない場合や、けいれんが数分で治まらない場合は救急車を呼んでください。 けいれんが初めてなら数分で症状が治まっても病院に、夜間なら救急外来へ行き診察を受けましょう。
2)気道を確保して、よく見る
けいれんを起こしている子を抱き上げたり揺すったりしないで!
けいれんが始まった、あるいは終わったあとも、首を軽く支え、頭を少し反らすような体勢を取り、空気の通り道を確保してあげましょう。また、嘔吐することがしばしばありますので、吐いた物を誤嚥(ごえん)しないように顔は横に向けて、助けを呼んだあとは、様子を見ます。もちろん、放っておくということではありません。慌てているときは「何かをしなくては」と思うとかえって混乱してしまいますから、助けの人を呼んだあとはとにかく赤ちゃん子供の様子をしっかり見ていてください。右側だけが小刻みに震えていた、5分くらいで一度治まったのに再びけいれんした、など、けいれんの様子と経過は診断の際の大切な情報です。できれば時計も見て時間を確認しましょう。嘔吐したときは吐いたものがのどに詰まらないように顔を横に向けてあげる必要がありますが、それ以外では赤ちゃん子供を動かさないように。口に物を入れるのは厳禁です。けいれんが治まったときに意識があるか確認したいときは、大きく揺すらず、肩をたたいて呼びかけたり、爪のあとが残る程度につねって反応を見るようにしましょう。
以前、熱性けいれんを起こしたことがあり今回も同じだろうと判断できた場合は、時間外に受診する必要はありませんが、念のため24時間以内に受診するようにしましょう。
<けいれんを起こしたら…>
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【監修】 平塚市民病院 小児科医長 藤田 秀樹 ,静岡赤十字病院 小児科 大河原 一郎
構成・文/小谷野少名 ,イラスト/中垣内直樹
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